今回の動画はアメリカについてから始まります。
マーク・トウェインは自分の所属する国家について、どのような考えをもっていたのでしょう。
1835年に生まれたマーク・トウェインは、1861年から始まった南北戦争に参戦しています。
南北戦争とは、奴隷制存続を主張するミシシッピ州やフロリダ州など南部11州が合衆国を脱退して『アメリカ連合国』を結成し、『アメリカ合衆国』にとどまったその他の北部23州との間で行われた内戦のことです。この戦争でトウェインは、アメリカ連合国軍に志願し、少尉として従軍していますが、この戦いについて思うことがなかったわけはありません。
『ハックルベリー・フィンの冒険』(Adventures of Huckleberry Finn)という作品があります。
ハックは『トム・ソーヤーの冒険』で大金持ちになるのですが、行方知れずになっていた父親がそのことを聞きつけ、ハックのもとに現れます。アル中で、虐待などもしてくる父親との生活に、また逆戻りです。
なんとかして父親から逃げだしたハックは、それまでお世話になっていたワトソン家で使用人として働いていた黒人のジムと再会します。ジムは、ワトソン家の主人が彼を南部に売ろうと計画していたのを立ち聞きして、逃走してきたところでした。奴隷制を廃止した自由州へ向かうというジムと一緒に、ミシシッピ川を下り始めるハック。当時のアメリカでは奴隷は白人の所有物とされており、その逃亡を助ける行為は犯罪とされていました。そんな当時の社会的価値観と自分の心に隔たりがあることに気づき、そのことに幾度となく強い葛藤を覚えながらも、ハックは様々な人たちと出会い、騒動に巻き込まれ、次第にジムとの友情を深めていくのです。
この作品の舞台設定は前述した南北戦争の前。もしかすれば黒人奴隷解放問題に挑む精神が、この作品には込められているかもしれません。ハックとジムの大脱走は、後の世ならロードムービーともいえる痛快さもあるでしょうが、ハックの内面は無学者とは思えぬほどに単純ではありません。ジムが捕まってしまった時のハックの決心などは、感動的ですらあります。
20世紀前半のアメリカ人作家、アーネスト・ヘミングウェイは、ノンフィクション作品『アフリカの緑の丘』で、本書を歴史的な文脈に位置づけました。
“あらゆる現代アメリカ文学は、マーク・トウェインの『ハックルベリー・フィン』と呼ばれる一冊に由来する。……全てのアメリカの作家が、この作品に由来する。この作品以前に、アメリカ文学とアメリカの作家は存在しなかった。この作品以降に、これに匹敵する作品は存在しない。”
『ハックルベリー・フィンの冒険』は、いかなる特定の社会的メッセージも含んでいなかった『トム・ソーヤーの冒険』の続編として捉えられているにも拘らず、学術的な研究対象でもあり続けています。
ただし、そもそもがこの作品の冒頭で、作者はこのように警告しています。
“この物語に主題を見出さんとする者は告訴さるべし。そこに教訓を見出さんとする者は追放さるべし。そこに筋書を見出さんとする者は射殺さるべし。”
あんまり能書きを垂れていると、告訴追放射殺の3点セットを喰らってしまいますので、このへんにしときましょう。
マーク・トウェイン動画の、最終回でした。
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